98年10月10日(土) 六本木金魚物語
知る人ぞ知る「六本木金魚」。
これ、わたしの姉妹とかではないのよ。
知らない人のためにご紹介すると
日本のショーパブ界を代表するような、
クオリティー高いショーを披露してくれるお店の名前。
と、ここまでだったら、少しインパクトが弱いのだが
なんと、出演者は怪しき美女たち、「ニューハーフ嬢」なのだ。

以前、私は地元のニューハーフのお店で
ぞろりと並んだ美女たちに
面食らっていたが、ここはちょっと訳が違う。
完全に、劇場といった方がふさわしい空間なのだ。
つまり、美しいおねえさんたち(?)が、そばにすわって
面白い話をしながら
「いっぱいどうぞ」なんてお酌したりなどということは一切なく、
ショウガールとして舞台の上でしかお目にかかれないシステムで、
御客と店員というよりは、観客と役者という関係。

そのかわり、飛び切りの美女たちが勢揃いしているし、
その内容ときた日には、もう、オフブロードウエイにそのまま持って
いっても通用するくらいのグレードの高さ。
つまり、脚本、演出、舞台、美術、役者、音楽・・・
すべてにおいて、完成度が高いのだ。
こういう場所で、こんなレベルの高いことが行われてるとは!
と、千葉金魚、初体験の日にカルチャーショックを受けてしまった。

よく、有名な劇団のミュージカルなどを見に行くのだが、
まさに、そういう類のものとなんら引けを取らない内容で、
ただ、舞台の上にいるのが、ニューハーフの美女たち
ということだけが違うくらい。
ある意味では、某有名劇団より上をいってるんじゃないか?
と言う気さえした。

つまり、彼女たちって、女以上に「女」であることを
願望してるから、よっぽど戸籍上の女たちよりも
「美」に対する意識、センスに優れていると思うし、
だれよりも、美しくありたい、美しく見られたいという思い、
情熱、執念といったものが、
演技の上でもびんびん伝わってくるのだ。

だからきっと女が女を演ずる以上に
きれいだし、妖艶だし、ドキッとさせられるのかもしれない。
そうそう、歌舞伎の女形のごとく。

コンピュータを導入した舞台が、音楽に合わせめまぐるしく変化し
それこそ秒単位で役者たちが、ダンス知ながら動き回る。
一歩でも間違えたら事故につながるような
複雑で危険を伴う演出なのに、ぴたっとはまってしまっている。
ホントにプロだ。お見事。

千葉金魚は、そんなわけで、
六本木金魚の魅力に完璧に取り付かれてしまったようだ。
しばらくこの興奮から覚めやらぬかもしれない。