<まぬけ泥(出来心)>

どんな稼業でも、はじめは誰でも新米。
先輩の言動を見習いつつ、成長していくのだけれど、なかには
なかなか要領を得ないのもいるようで・・・(って他人事じゃない(^^;)
これも楽春師匠に教えていただいたネタです。

 


とにかくどじな新米の泥棒。
ある日泥棒の親方から、空き巣に入る方法を伝授され、早速実行に移す。

ところが、留守だと思って盗みに入った家で羊羹を食い、二階にいた住人に見つかりあわてて羊羹をのどにつかえさせてしまう。
道を尋ねるふりをしてごまかそうとすると表札に書いてあった住人の名前を言ってしまう。
おまけに逃げるときに裸足で飛び出し下駄を置いてきてしまう。

次に貧乏長屋の一軒の家に入るがまるで物がない。
腹を空かした泥棒は七輪の上にあった土鍋のおじやを食う。
そこへ、住人の八五郎が帰ってきたから、泥棒は大慌てで台所の縁の下にもぐる。

八五郎は泥棒が入られたことに気付き大家を呼ぶ。
空き巣に盗まれたことにしてたまっていた家賃を待ってもらおうというのだ。
大家は、「他に盗まれた物があったら警察に届けなくてはいけない」と言って八五郎から被害を聞き出そうとする。
盗まれた物など何もない八五郎は、大家の質問に口から出まかせで答える。

「盗まれた布団の表は?」と聞かれれば、
「大家さん所と同じで…。」
「あぁ、じゃぁ唐草かい。裏はどうなっている?」
「これも大家さんとこと同じで…。」
「うむ、じゃぁ、花色木綿だな。」

八五郎は大家さんに聞かれるままに、羽二重の黒紋付やら博多帯やら、半纏など次から次へ盗まれてもいない物を盗まれたと言ってしまう。
しかも、決まって「裏は花色木綿。」と言葉を添える。
縁の下でこれを聞いていた泥棒がたまりかねて出てきて、「さっきから黙って聞いてりゃいい気になりやがって、そんなもの盗んじゃいねぇ。」

大家に叱られ、泥棒はあわてて泣き落としに入り
「出来心です」と言って泣いて見せる。
大家は泥棒が新米だというので、改心して堅気になるよう諭すが、ウソを並べ立てた八五郎には腹の虫が治まらない。
「なんだってお前はありもしないことを言うんだ。」
「へぇ、ほんの出来心で。」

金魚は、前半の下駄を置いて逃げるとこまでを高座でやりました。